プレスリリース

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プラスチックや紙を代替する新素材LIMEXを開発するTBMは、韓国のSKグループと135億円の資本業務提携を合意

~グローバルの販路を通じた製品販売、生分解性LIMEXのJV設立契約を締結~

株式会社TBM(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:山﨑敦義、以下TBM)は、石油精製、石油化学、通信や半導体事業を軸としながら、ESG領域のベストカンパニーを目指し、グローバルに展開している韓国大手財閥であるSKグループの4社(SK Inc.、SKC、SK Materials、SK Siltron)が共同出資したSK Japan Investment Inc.(本社:東京都、代表取締役:Hyunho Son)と135億円の資本提携に合意したことをお知らせいたします。SK Japan Investment Inc.にとってはTBMが初の投資先となります。また、TBMはSKグループの化学素材大手のSKC(本社:韓国ソウル、代表取締役:Wan Jae Lee、以下SKC)と炭酸カルシウムを樹脂に高充填するTBMの材料設計技術とSKグループの製造する生分解性プラスチック(PBAT)を組み合わせた生分解性LIMEXの開発、事業化を推進するJV(ジョイントベンチャー)を設立する契約を締結しました。

今回の提携はSKグループにとって、サステナブルな新素材LIMEXを開発製造するTBMと協業することで、ESG領域におけるベストカンパニーになる目標の実現を加速することを目的としています。本提携に基づき、TBMはSKグループとのサプライチェーンの連携を通じてLIMEXの生産体制を強化し、SKグループの販路を活用して、SKグループ及びその顧客ニーズにマッチしたLIMEX Pellet(ライメックスペレット)及びLIMEX Sheet(ライメックスシート)の用途開発を推進します。また、TBMの製品を韓国及びグローバルに向けて販売し、世界のプラスチック問題や地域によって異なる環境素材のニーズに対応して参ります。


背景・概要

世界において気候変動、資源枯渇、水資源の危機等の環境課題が急速に進行しており、国はもとより企業レベルでの対応が必至となっています。特に、プラスチックに関しては各国が独自に規制しており、日本を含む世界127ヵ国1がプラスチック製袋の利用を禁止もしくは制限をしています。一方、人口増加や新興国の経済成長に伴い、世界のプラスチック樹脂の市場規模は2020年から2027年まで4.5%のCAGRで成長し、2027年までに5,225億ドルに達すると予測されています2。プラスチックの代替素材が求められる中、中国では生分解性プラスチックの導入を積極的に進めており、中国における生分解性プラスチックの市場規模は2030年には2020年と比較し、約7倍(約1兆4000億円)3になると予測されています。

TBMは、2011年の設立以降、炭酸カルシウムなどの無機物を主原料とするLIMEXの素材開発を進めてきました。LIMEXは資源保全やCO2排出抑制による気候変動対策への貢献などが評価され、COPやG20の国際会議で紹介される他、UNIDO(国際連合工業開発機関)のサステナブル技術普及プラットフォームに登録されています。現在は自社工場だけでなくファブレスでの素材生産も可能となり、海外での生産体制、サプライチェーンも構築しております。国内では6,000社以上の企業や自治体でプラスチックや紙の代替素材としてLIMEXを使用した製品が導入されています。

韓国第3位の財閥であり石油精製業や通信事業を軸とするSKグループは現在、バイオテクノロジー、再生可能エネルギーなどを成長動力としており、事業ポートフォリオの再構築により、ESG領域におけるリーディングカンパニーを目指しています。昨年、韓国企業では初めて「RE1004」に加盟するなど、ESG経営を先導するSKグループは、各国の環境規制などを新たな成長機会とする経営戦略を掲げています。

1 UNEP2 Report Ocean3 China Association of Circular Economy
4
使用する電力の100%を再生可能エネルギーにより発電された電力にする事に取り組んでいる企業が加盟している国際的な企業連合


提携内容

この度、TBMとSKグループは資本業務提携を行うことで合意し、下記の領域で協業を行います。

1. SKグループのグローバルの販路を活用した韓国及びグローバルに向けたTBM製品の販売
2. SKグループ及びその顧客ニーズにマッチしたLIMEXの用途開発
3. SKグループの製造する生分解性プラスチック(PBAT)を用いた生分解性LIMEXを開発・製造・販売するJV設立の事業化

TBMとSKCは、SKグループの製造する生分解性プラスチック(PBAT)を用いた生分解性LIMEXの独占的な開発、事業化を共同推進するJV設立の契約を締結しました。これまで生分解性プラスチックが普及してこなかったのはコストの高さが主要な要因の1つですが、生分解性LIMEXは価格競争力を有し、市場に普及させることが可能な素材です。また、LIMEXの主原料である炭酸カルシウムは、埋蔵量が豊富で枯渇リスクが低く、供給が安定であることから、石油由来プラスチックや生分解性プラスチックの原料と比較して非常に安価であり、枯渇リスクが低いことから価格安定性に優れています。この炭酸カルシウムを樹脂に高充填するTBMの材料設計技術とSKCが保有する高強度生分解性プラスチック(PBAT)を活用することで、従来の生分解性プラスチックと比較して価格競争力を有し、耐熱性と耐衝撃性を備えた生分解性LIMEXの開発が可能となります。


TBM代表取締役CEO山﨑敦義 コメント

ESGのベストカンパニーを目指すSKグループと、パートナーとしてESGの領域で戦略的に協業できることは非常に光栄です。東南アジア含めグローバルで急成長しているSKグループとの資本業務提携及びSKCとのJV設立により、LIMEXのグローバル展開が加速され、生分解性LIMEXを含む新たな素材開発や用途開発、さらには脱炭素社会、サーキュラーエコノミーの構築に貢献する取組みを、世界中で加速していきます。今後もTBMは、サステナビリティ領域で世界のトッププレーヤーになることを目指し、邁進致します。


SK Japan Investment Inc. の孫玄鎬(ソン·ヒョンホ)代表 コメント

SKグループが積極的にESG経営を推進するという意志を示すという点で、SK Japan Investment Inc. の初めての投資先がTBMであることは非常に大きな意味があります。今回の提携を通じて、環境に配慮した素材を開発するTBMに資本参加するだけでなく、SKCとTBMが生分解性LIMEXを共同開発する等、グループ各社とビジネス面で連携することで、今後SKグループの環境にやさしい事業の成長が加速化すると確信しています。今後はSK Japan Investment Inc.は、ESG領域への投資機会を継続して発掘していく予定です。