プレスリリース
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- 多賀城工場
石灰石を主原料とするLIMEXの第二プラント「多賀城工場」が竣工
~復興支援として宮城県内の雇用創出、自社生産体制を強化、海外での技術ライセンスのモデルに~
株式会社TBM(本社:東京都中央区、代表取締役CEO:山﨑敦義、以下TBM)は、2021年2月5日(金)、建設を進めていた当社の国内第二プラントとなる「多賀城工場」(宮城県多賀城市)の竣工式を行いました。多賀城工場は、当社が開発した石灰石を主原料とする複合素材「LIMEX」の量産拠点として、2021年4月の本稼働を予定しています。本工場の稼働を契機にTBMは、従来から提携工場と連携して生産しているファブレスでの素材製造だけでなく、自社工場で製造するLIMEXシートおよびLIMEXペレットの生産体制・品質安定性を向上させ、国内への普及促進と多賀城工場をモデルとした技術輸出によるLIMEXのグローバル展開を加速してまいります。
国内第二プラント「多賀城工場」の特徴
本工場の建設に際しては、2015 年に経済産業省の「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金(製造業等立地支援事業)」に採択され、多賀城市と立地協定を行い、同市が復興牽引拠点と位置付けている「さんみらい多賀城・復興団地(一本柳工業団地)」内に敷地面積 27,500m²の用地を確保し、2019年8月より建設工事を進めてまいりました。
本工場では、復興支援の一助となるべく、68名の県内雇用による生産体制を構築し、石灰石などの無機物を主原料とする複合素材「LIMEX」をシート状に成形した「LIMEXシート」と、ペレット状に加工した「LIMEXペレット」の量産を、2021年4月(予定)より開始いたします。
(1)LIMEXシートの量産化、薄膜化による用途拡大
多賀城工場では、紙やフィルムの代替として使用可能なLIMEXシート製造の効率化と、製品の物性強化および品質安定性向上を可能にする成膜工程を整備しました。量産によるコストダウンを図ることで、従来のメニュー表やポスターなど企画印刷物用途での更なる普及、およびパッケージ等の新規用途開拓を推進します。また、新たに100μm以下に薄膜化したLIMEXシートの製造を開始し、ラベルや軟包材など新たな用途での導入拡大を目指します。
(2)高品質なLIMEXペレットの自社製造を開始
当社はこれまで国内外でのOEM体制により、プラスチックの代替素材となるLIMEXペレットの生産を行ってきましたが、多賀城工場での高性能なコンパウンド製造ラインにより、高品質なLIMEXペレットの製造を実現します。LIMEXペレットは、従来のプラスチックと同様に多様な成形方法に対応可能であり、石油資源の使用量や原材料調達から処分工程におけるCO2の排出量を削減することが可能です。今後、国内外の商社や加工メーカー、プラスチック製品を扱う事業会社に向けて、環境に配慮した高品質なLIMEXペレットの販売を強化します。
(3)生産体制を強化し、技術ライセンスによるグローバル展開を加速
石灰石を主原料とする環境配慮型の複合素材「LIMEX」の量産拠点として、本工場は、年産23,000tの生産量を可能にする生産設備を有し、第一プラントの白石工場(年産6,000t)と合わせて、自社拠点の生産量を約5倍へと強化します。さらに、本工場のLIMEX製造における技術・システムを、技術ライセンスによって世界各地へ展開し、LIMEXのグローバル展開を加速します。
(4)自社拠点を活用したサステナブルな技術開発の推進
多賀城工場の稼働を契機に、持続可能な社会の実現を目指して、第一プラントの白石工場との連携を強化し、高機能かつ高付加価値のLIMEXシート・LIMEXペレットの技術開発を推進します。
TBM多賀城工場 竣工式概要
2021年2月5日(金)に、多賀城工場の竣工式を開催しました。当社代表取締役 CEOの山﨑敦義以下、役員らが出席した他、宮城県の村井嘉浩知事や多賀城市の深谷晃祐市長をはじめ建設会社や設備メーカーの皆様を含む約60名に来賓として参加いただき、地元神社の宮司による神事、工場内外の見学を行いました。式典の中で、当社代表取締役 CEOの山﨑は、以下の抱負を述べました。
「無事にこの記念すべき日を迎えることが出来ましたこと、プロジェクトに関わってくださった全ての皆様に深く御礼を申し上げます。今年は東日本大震災から10年、そしてTBMも設立10周年を迎えます。日本が誇るべき素材の力、ものづくりの力で震災復興の一助になりたい、この想いに賛同し、挑戦の船に飛び込んできてくれたメンバーと共にLIMEXの量産工場がいよいよ始動します。現在、CO2削減に向けた経済成長と気候変動を両立するクリーンな技術、そして、SDGsへの対応、さらには大量生産・大量消費・大量廃棄型の線形経済モデルから、資源の効率的・循環的な利用を図る循環型経済、サーキュラーエコノミーへのパラダイムシフトなど、世界中で環境問題への対応が求められています。TBMはこうした世界の潮流を踏まえて、「進みたい未来へ、橋を架ける」をミッションに掲げ、グローバルで「サステナビリティ革命を実現」していくことを目指しています。復興を乗り越えた宮城県や多賀城市の皆様とともに、社員一丸となってLIMEXを東北、さらには世界に広げてまいります。」