プレスリリース

TBM、東京都「令和8年度CDRクレジット創出促進事業」に採択

~木質バイオマス発電所由来のCO₂と焼却灰を活用したCDRクレジット創出と技術の社会実装を目指す~

株式会社TBM(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:山﨑敦義、以下TBM)は、東京都の「令和8年度CDRクレジット創出促進事業」の実施事業者に採択され、CDRクレジット創出に向けた実証を開始しました。本実証では、木質バイオマス発電所で発生する未利用の焼却灰と排ガス中のCO₂を活用し、TBM独自の炭酸塩化技術により、CDR*1クレジット創出に向けた方法論の策定・実証と、本技術の社会実装を目指します。
本事業では、東京都と連携し、3か年にわたり、協定金による実証経費の一部支援と事業プロモーターによる伴走支援を受けながら、実証を進めます。

*1 CDR : Carbon Dioxide Removal(大気中のCO₂除去)

■ 背景

東京都は、2050年の「ゼロエミッション東京」の実現に向け、温室効果ガスの排出削減に加え、大気中のCO₂を人為的に取り除き、地質・陸域・海洋・製品などに長期貯留するCDRの取組を推進しています。CDRの社会実装には、CO₂除去量を科学的に算定・検証する方法論の整備や、CDRクレジットを活用した持続可能なビジネスモデルの構築が不可欠です。

カーボンクレジット市場において、CDRクレジットは「ネガティブエミッション」を実現する手段として価値が認められ、従来の削減クレジットよりも高価格で取引されています。現在は新規植林などの自然系CDRが主流ですが、さらなる除去量の拡大に向け、鉱物化をはじめとする技術系CDRの社会実装が求められています。鉱物化などの技術系CDRは、供給量こそ未だ限定的なものの、長期にわたるCO₂固定・貯留の確実性が高いことや土地利用の制限を受けにくいことなどから大きな期待を集めています。

再生可能エネルギーとして導入が進むバイオマス発電では、成長過程で大気からCO₂を吸収した木材等を燃料とするため、排ガス中のCO₂を固定・貯留できれば、大気中からの実質的なCO₂除去が可能となります。国内のバイオマス発電では年間約1,650万 t(2020年度推計)のCO₂が排出されており*2、CDR技術による固定化が期待されています。さらに、燃焼に伴い発生する木質バイオマス燃焼灰は2026年度に年間約82万 t-wetに達すると見込まれているものの、有効利用率は43%にとどまり、約57%(約47万 t-wet)が埋立処分される見通しであることから、その再資源化が課題となっています*3。

こうしたCDRの普及や未利用資源の再資源化という課題に対し、TBMは、「カーボンソリューション」を経営の柱に掲げ、環境配慮型素材の開発で培った技術やノウハウを基盤に、排出されるCO₂を炭酸カルシウムとして固定したカーボンリサイクル素材および、それを原料としたカーボンリサイクル建材等の製品の開発・製造・販売を行っています。本実証では、木質バイオマス発電所の排ガスに含まれるCO₂と、未利用の焼却灰を活用し、CO₂を炭酸カルシウムとして固定・再資源化するTBM独自の炭酸塩化技術の実証および、CDR技術としての成立可能性とクレジット創出可能性の検証に取り組みます。

*2 環境省・国立環境研究所『日本国温室効果ガスインベントリ報告書』の木材利用に係る炭素排出係数および経済産業省『総合エネルギー統計』を基にTBM推計

*3 独立行政法人環境再生保全機構 環境研究総合推進費『ジオポリマーコンクリートに資する木質バイオマス燃焼灰の資源化技術の実証開発(3G-2103)』

 

■ 実証事業について

・木質バイオマス発電所由来のCO₂と焼却灰を活用した炭酸塩化技術の実証

木質バイオマス発電所の排ガスを回収するとともに、焼却灰からカルシウム成分を抽出します。抽出したカルシウムとCO₂を化学反応させることで、CO₂を炭酸カルシウムとして固定し、回収して製品化する一連のプロセスを検証します。

 

・CDRクレジット創出に向けたMRV基盤の構築

CO₂固定量、物質収支、運転条件などを第三者が検証可能な形で記録し、CDRクレジット創出に必要なMRV(測定・報告・検証)基盤を構築します。また、工程で使用する電力や薬品、輸送等に伴うCO₂排出量も含め、LCA(ライフサイクルアセスメント)の観点から正味のCO₂除去量を算定します。

 

・炭酸カルシウムの製造条件と環境安全性の検証

木質バイオマス発電所の実際の焼却灰を用い、炭酸カルシウムの製造条件を検証します。あわせて、固定したCO₂の安定性や、カルシウム抽出後の残渣に含まれる重金属等の環境安全性を確認します。

 

さらに、本実証の成果とTBMが培ってきた技術・ネットワークを組み合わせることで、炭素・資源循環モデルの構築につなげ、国内外におけるカーボンリサイクルの社会実装に貢献してまいります。

 

■「令和8年度CDRクレジット創出促進事業」について

事業名:令和8年度CDRクレジット創出促進事業
実施主体:東京都
事業内容:CDR分野でのカーボンクレジットの創出・取引拡大に資する実証事業を支援
事業期間:令和8年度~令和10年度(3か年)
実証実施期間:令和8年8月~令和10年12月(予定)
支援内容:実証事業に係る経費の一部負担(上限5,000万円)および事業プロモーターによる伴走支援
ウェブサイト:https://www.removal-credit.metro.tokyo.lg.jp/